児童福祉施設には、どのような種類があるか

「自分が小学校だったころ、施設から通っていた子がクラスにいた」という話を大人になって耳にすることがあります。また、「施設はどんなところか知らない」、「なぜ施設から通っていたのか」と聞かれることもあります。

 

児童虐待や放任、親の病気など、さまざまな理由によって家庭から離れている子どもたちは、どのような施設で、どのように暮らしているのでしょうか。ここでは、子どもたちが暮らす児童福祉施設について詳しく見ていきます。

 

 乳児院
管轄の児童相談所によって保護された、0歳から2歳までの乳児が暮らす施設です。平成26年10月現在で全国に133か所あり、約3000人の子どもたちが暮らしています。

 

預けられる理由として最も多いのが、出産後の体調や産後うつといった母親の病気や体調不良、次いで育児放棄や虐待、借金や貧困などの経済的困難が上がっています。

 

ただ、数字だけでは見えてこない理由も多々あり、多くの要因が複雑に絡んでいるのが実態です。短期間で家庭に戻る場合もあれば、長期間の保護のあと児童養護施設に預けられるケースもあります。

 

 児童養護施設
児童養護施設には、1歳から18歳までの子どもが暮らしています。社会的養護を必要とする子どもの約半数が、児童養護施設に預けられます。

 

平成26年10月現在、全国に601か所あり、約3万人の子どもたちがいます。近年、生活が不安定で継続的な養育が必要と判断された場合は、18歳以降も引き続き20歳まで措置の延長が認められるようになっています。

 

 児童自立支援施設
児童自立支援施設には、不良行為を起こし(またはおそれのある)、環境上の理由によって生活指導を必要とする子どもが暮らしています。

 

非行からの回復を目的とした少年院とは異なり、基本的な生活習慣の保障と改善、学習等の習慣化、家庭の代わりを果たす児童福祉を目的にした場所です。

 

少年院は管轄が法務省であるのに対し、こちらは厚生労働省であることからも役割の違いがわかります。全国に58か所あり、約1500人が生活しています。

 

 情緒障害児短期治療施設
心理的困難や苦しみを抱え、日常生活の多岐にわたって生きづらさを感じて心理治療を必要とする子どもが暮らしたり、あるいは通って治療を行う施設です。

 

「情緒障害」という用語は不必要な誤解や偏見につながるため「児童心理治療
施設」という名称でも呼ばれています。心理的、環境的に不適応を示している
小中学生を中心にした子どもとその家族が対象です。

 

この施設には、全国に38か所、約1300人の子どもたちが暮らしています。施設は、集団生活により子どもの状況の改善を図ったり、カウンセリングなどによる心理治療を行って、子どもの成長・発達と自立を援助しています。

 

 母子生活支援施設
18歳未満の子どもを養育している母子家庭、またはなんらかの事情で離婚の届出ができな
いなど、母子家庭に準じる家庭の女性が、子どもと一緒に利用できる場所です。

 

この施設と他の施設との違いは、子どもだけで生活するのではなく、独立した
居室で母子ともに暮らし家事育児を行うことができるという点です。また、全
国に約250か所、3500世帯、約6000人の児童が暮らしています。

 

入所の理由としては、配偶者からの暴力(DV)が最も高く、次いで経済的理由
となっています。そのため、入所した母親の生活や就労支援をする職員だけで
なく、母子ともに心のケアを行う心理療法担当職員も配置されています。

 

 自立援助ホーム
自立援助ホームは、なんらかの理由で家庭にいられなくなり、働かざるを得なくなった
原則として15歳から20歳までの子どもたちに暮らしの場を与える場所です。

 

児童養護施設を退所したり、義務教育を修了した20歳未満の子どもたちが就
労や自立を目指します。ここには全国に118か所、約450人の子どもたち
が暮らしています。

 

ここで暮らす子どもたちの大半が児童虐待を受けてきていると言われるほか、
児童養護施設を退所したけれども経済的に余裕がないといった理由で利用して
います。基本的に一軒家形式となっており、地域の中で暮らしています。

 

以上、6つの種別の施設について見てきました。もしかするとあなたの身近な地域にも、このような施設があるかもしれません。

 

施設で暮らすことになった背景には、一人ひとり異なる理由があります。社会全体、そして大人たちが「施設の子」として見るのではなく、「一人の人格ある人間」として理解する姿勢を持つことを大切にしたいものです。

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