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深刻化している「子どもの貧困」の実態と数字から見た現実

最近「子どもの貧困」という言葉を耳にするようになりました。しかし、日本にはコンビニエンスストアもファストフードも、大型ショッピングモールもたくさんあり、都会に行けば安くていいものが簡単に手に入ります。そのため、「本当に貧困なのか」と思う人はたくさんいるでしょう。

 

 貧困の実態
●ケース1
小4のA子。両親が離婚し、お母さんと二人で暮らしています。しかし、お母さんは病気のため働くことができません。朝はお母さんが起きられず、朝ごはんは食べられないので、学校の給食をたくさん食べます。

 

お母さんが元気なときは、買い物に行って夕ごはんを作ってくれますが、体調が悪くて寝ているときは、お金をもらってコンビニで食事を買ってきます。それでもおなかが空くときは、冷凍食品を自分で温めて食べることもあります。

 

●ケース2
父親がアルコール依存症で、父子家庭に育つ中学生のB子です。父親は朝から酒ばかり飲んで働いていないため、生活保護を受給しています。弁当も日々の食事もA子が作っていますが、酔っぱらって暴力を振るわれることもあります。

 

B子には「看護師になりたい」という夢があるから耐えています。大きな不安は、高校に行くお金がないことです。父親に言っても取り合えってもらえず、学校の先生や友達には恥ずかしくて言えません。

 

●ケース3
高校を中退した16歳のC男です。母親が再婚し、新しい父との間に3人の子どもいます。継父も母親も3人をかわいがり、C男のことはいないかのような扱いです。この家に自分の居場所などありません。

 

「早く自立したい」という思いから、高校を辞めて働いていますが、家には帰りたくありません。朝はコンビニで働き、昼も夜も働いて、友達の家を転々としたり、時には野宿することもあります。親から連絡は一切ありません。また、お金が無くなると万引きしてしのぎますが、いつか警察に捕まるのではないかと気が気ではありません。

 

以上の3人は、私が実際に関わったことのある子どもたちです。このように、実際に保育や教育、福祉の現場に足を運ぶと、貧困にさらされている子どもたちは少なくなりません。

 

 数字で見る、世界から見た日本の子どもの貧困
2005年のユニセフレポートによれば、2000年に貧困状況にある日本の子どもは全体の14.3%(7人に一人)、先進国26か国中10番目の高さにありました。90年代を通じて、子どもの貧困率が日本では2.3%増え、アメリカは2.4%減少したという調査結果が出ています。

 

またOECD(経済協力開発機構)によれば、2005年時点でひとり親家庭の貧困率の高さは主要先進国の中で日本は第1位となっています。

 

日本では、働くひとり親家庭の貧困率が高いという奇妙な現象が起きています。その背景には、母親たちのほとんどがワーキングプアの状態にあることが最大の要因であり、正規雇用はたったの4割、ひとり親家庭の年間就労収入は160万円という実態です。

 

 子どもの貧困を認めてこなかった日本
最近になってようやく騒がれ始めた子どもの貧困問題ですが、実は数年前から起きていた実態です。しかし、日本はそれを認めず、対応することをしてきませんでした。

 

アメリカは、貧困をしつこく再発見してきた国の一つと言われています。1964年、ジョンソン大統領は「貧困との戦い」を宣言し、様々な施策を実行したため、子どもの貧困問題は政治家の大きな関心事の一つでもありました。

 

結果的に、全米に子どもの貧困解決に取り組む非営利団体が存在するようになり、前述した通り、90年代を通してアメリカの貧困率は減少に至るのです。

 

一方日本では、政府がこの問題に介入してから貧困率が上がっている、という異常事態が起きています。これは、現行の税制度や児童手当などの制度が、低収入家庭の経済を改善することを目的としていないことに加えて、手当の額が少額であるという指摘もされています。

 

子どもの貧困の実態と、その背景要因を簡単に見てきました。今後、世界経済が深刻化していく中で、日本の経済だけがより豊かになるということはありえません。より深刻化していけば、子どもの貧困もより一層、深刻化するでしょう。

 

私たち大人に何ができるのか。未来を背負う可能性にあふれた子どもたちに何を残せるのか。政府や過去を批判していても何も始まりません。そして立ち止まっている時間もありません。ひとりひとりが真剣に考えるべき時期にあります。

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