小さな子どもが性被害に遭ったとき、大人がするべきこと

私たちは災害、事件、事故をコントロールすることは不可能です。人と関わったり、人のことを知るためのツールも便利になった一方で、プライバシーを守ることが難しい時代にもなっています。ニュースで見聞きしているような出来事も、いつ自分の身に降りかかるかわかりません。

 

かつて、子どもたちは家庭や地域の中で守られながら育ちました。しかし現代は、守られて育つはずの家庭内でひどい暴力を受けたり、深刻な貧困にさらされる危険性が高くなっています。

 

子ども自身が保護者から暴力や性被害に遭っている場合もあれば、どちらかの親からどちらかの親への暴力(ドメスティックバイオレンス)を目撃している場合もあります。

 

そのような問題がなくても、大人の目が届きにくい、子どもが使う携帯電話の中でいじめなどの大きなトラブルに巻き込まれている可能性もあります。また家庭から一歩出れば、誘拐や殺人といった深刻な事件に巻き込まれる危険性も高くなっています。

 

法律ではプライバシ―の保護が守られるようになっているものの、実際の私たちのくらしの中では個人が特定しやすく、また危険にさらされることが増えています。

 

ここでは、子どもたちが危険な目に遭ったり、悲惨な体験をしたとき、私たち大人に何ができるかについて考えていきます。

 

 同じ物事でも子どもと大人の理解は違う
児童養護施設でくらす子どもたちの多くは、家庭内でなんらかの性被害に遭ってきました。

 

たとえば「母親の交際相手の男性から性器を触られた」という事例も少なくありません。このような出来事の理解は、年齢によって違いがあります。

 

幼児期から小学校低学年の子どもがこのような被害に遭った場合、受けている被害の意味が分かっていません。また「誰にも行ってはダメだよ」、「二人だけの秘密だよ」という言葉をかけられることも多く、子どもはそれを守ろうとします。

 

加害者が、子どもにとって「いつも遊んでくれる優しいおじさん」と認識されている場合、子どもは深刻さというよりも楽しさとして認識します。

 

性被害の深刻さは、暴力のような痛みではなく、むしろ身体は気持ちよさを感じるところにあります

 

小さな子どもの被害は、それがおかしなこと、嫌なことという認識がされにくいため、発見が遅れます。また楽しくて気持ちのよい遊びと認識されるため、友達や年下の子どもに同じことをしてしまう、すなわち加害側に転じてしまう危険性もはらんでいます。

 

 意味を理解したときの傷つき
そして彼らが成長し、思春期年齢に入り、友達同士での会話や入ってくる情報によって、自分がされたことの意味を知ることになったとき、子どもは深く傷つきます。それは加害者が子どもをモノとして扱うゆえに起こります。

 

モノとして扱われた人間性に気づいたとき、混乱や絶望、怒りなどの感情が巡り、自分の存在そのものを否定します。

 

そして存在を確かめるために、さらなる性被害に自ら身を投じたり、薬物やアルコールといった物質乱用、自殺企図といった行為に及びます。

 

 子どもの被害を疑ったとき、あるいは被害を打ち明けられたとき、大人がするべきこと
子ども達は、私たち大人が考えている以上に危険や怖い目に遭っていることを知っておく必要があります。そして、子どもは大人と同じような理解や物事の処理ができないということも知っておくべきことです。

 

上述したように、小さな子どもの被害は非常に発見しにくいです。しかし子どもの遊びの中で、年齢にそぐわない性的な遊びや発言が見られたときは被害を疑う必要があります。

 

また、普段の様子と違うと感じたとき、例えば眠れない、食欲がいつもと違う、体調不良を訴えるなども一つのヒントになります。

 

疑ったときには、子どもを質問攻めにして追い詰めることはやめてください。子どもと大人の理解の仕方には違いがあるため、大人が思うような反応(例えばパニックや混乱)を示さないかもしれません。

 

まずは大人であるなたが冷静になり、あなたが見たり聞いたりした事実をもとに、誰に、何をされたのかを聞いてください

 

「わからない」、「忘れた」ということも多々あります。そのような時は深入りせず、いつでも話して良いことを伝え、一度引くことも必要です。

 

子どもが話してくれたときには、「よく話してくれたね」と感謝を伝えつつ、被害に遭ったことの怖さを共有してあげましょう。あなたのお子さんなら、ぎゅっと抱きしめ「守ることができなくてごめんね」と伝えてあげましょう。

 

そしてこの先の生活は親や保護者がいるから安心して良い、ということを伝えてください。

 

人として扱われなかったことへの傷つきは、医療で治すことはできません。医者やカウンセラーといった第3者を頼る前に、まずは一番身近にいる大人であるあなたが子どもに安心・安全を提供することで、子どもは早期に回復をすることができます。

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