これを読んでいる人の多くが、思春期を体験してきたことでしょう。思い返してみてください。親や先生から指示されることへの嫌悪感が強く、社会に疑問を覚え、反発し、いつも何かにイライラしていました。また、身体の成長も著しいため、戸惑いや混乱もありました。

 

経験してきたにも関わらず、いざ自分が大人になって思春期の子ども達を目の前にすると「何を考えているかわからない」、「どう接して良いかわからない」と言います。特に、自分の子どもが思春期に差し掛かってきた、思春期の子ども達と関わる仕事に就いている人の中には、そのような悩みを抱えている人は多いです。

 

あるいは、子どもが表現するさまざまな言動に対して悩み、さまざまな相談機関に通ってみても状況は良くならず、疲れ果て「自分の手には負えない」とあきらめかけている人もいるかもしれません。

 

今回は、一般的に思春期の子どもの内面で起きていることについて理解を深め、身近にいる子どもに対する自分の目線を確認してみましょう。

 

 身体と心の成長の進み具合が違うことで起こるさまざまな混乱
思春期は、一般的に11〜13歳から20歳くらいまでの時期を言います。成長期とも言われるこの時期、身体の成長はとても著しく、体つきも機能も急速に大人に近づいていきます。その一方でこころはゆっくりと成長していくため、心身のさまざまなところでバランスを崩しやすくなります。

 

そのため、表面的には仲間と過ごし元気よく見えても、こころの内や本音はひとりでいたい思いや、人には言えない悩みを抱えていることがあります。常に自分の外面と内面の違いに葛藤や怒り、戸惑いを感じています。同じ声掛けや関わりをしても日によって反応が違うのは、このような背景を持っているからと言えるでしょう。

 

心理学者のエリクソンは、思春期を「同一性と連続性に揺れる時期」と表現しました。「自分とはナニモノか」を考え、アイデンティティが揺れます。そのため、過剰に周囲の目が気になってオシャレをしたり、自分の意思とは違っていても集団の中に混じっていることがあるのがこの時期です。

 

また「自分はどこから来て、どこへ行くのか」と人生について深く考える時期です。自分がナニモノかわからず、この先の見通しも立たないため、身近にいる大人、特に親や教師に対して不満や反発をぶつけます。

 

 思春期の戸惑いはサインに表れている
こころと身体のアンバランスや内面の揺れが、家庭や学校生活でうまく処理できる子どもばかりではありません。消化不良を起こすと、さまざまなサインに表れます。その一部を以下に挙げます。

 

こころ:イライラしやすい、集中力がない、ゆううつ、落ち着きがない
からだ:疲れやすい、眠れない、胃が痛む、下痢や便秘など
行 動;:むちゃ食い、衝動買い、引きこもり、夜間の外出など

 

このような様子が頻繁に現れたら、黄色信号です。思春期の子どもは自分の異変に気付いていても、親や担任の先生など身近な大人には訴えません。しかし、「やる気が出ない」、「だるい」と言って保健室に行くことはあるようです。

 

この段階で大人がキャッチできなかったり、家庭や学校との連絡・連携ができていないと、症状は深刻化・長期化します。例えば、不登校や摂食障害、自分や人や物を壊すといったことです。

 

 日ごろから子どもの「何を」見ていますか
では、サインをキャッチしたらどのように対応すればよいのでしょう。思春期の子どもに直接「あなた〜でしょう?」と聞いても、必ずと言ってよいほど否定します。

 

大切なことは日ごろのコミュニケーションです。大人が気づいたり心配になったりしたタイミングで、急に距離を近づけようとしても子どもは大人の都合であることを見抜き、逆に不信感につながります。

 

日々の暮らしの中で、子どもの顔やしぐさを観察していますか。くせやこだわり、興味関心に目を向けていますか。子どもが「見てほしい」、「気づいてほしい」と思っているサインがわかりますか。
 
大人が心配していることがあるのなら、日ごろから子どもが何を考えたり、感じたりしているのかを理解しましょう。
 

 

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