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社会全体で、地域で、子どもを育てることについて

子どもの数が減り、共働きやひとり親家庭が増えています。このような変化の中、子どもの貧困や、児童虐待の深刻化が大きな社会問題となっており、「地域ぐるみで」、「社会全体で」子どもを育てようと意識が高まっています。

 

公的機関のチラシには子育てサロンやグループなど、子育て中の保護者が参加して悩みを相談し、ストレスを発散できる場の情報が多く載っています。一昔前は、子育て中のお母さんが公園に足を運び、そこで仲間を作っていく「公園デビュー」という言葉も流行りました。

 

インターネットやスマートフォンが普及した今、子育てやそれを取り巻く環境も様変わりしています。育児に関するあらゆる情報が簡単に手に入り、困りごとや悩みごとはインターネットで検索すれば、見ず知らずの人が答えてくれます。

 

「公園デビュー」という言葉は消え、情報収集の場はSNS上が主となっています。お母さんがいきいきと子育てするためのサロンやイベントは山のようにあります。また、自立した母親を目指すためのセミナーや、そこで初めて会った人たちと話題を共有したり子育てに関する勉強をしたりする機会が増えています。

 

 社会的養護を必要とする家族から見た地域社会
社会的養護とは、「保護者のない児童や、保護者に監護させることが適当でない児童を、公的責任で社会的に養育し、保護するとともに、養育に大きな困難を抱える家庭への支援を行うこと」と厚生労働省は定義しています。

 

子どもに依存せず、子育てだけが生きがいではなく、いきいきと自分らしく、自立した親を目指そうという社会の動きがあります。その一方で、社会的養護を必要とする家族や子どもたちが増え続けています。

 

以前は、このような家族や子どもは社会から孤立し、ある日突然、地域から姿を消し、いつのまにか忘れ去られていました。最近では、彼らを社会全体で、地域で支援し、児童逆をを減らそうという流れも生まれています。

 

社会的養護を必要としている家族や子どもの視点に立つと、地域社会はどう見えているのでしょうか。

 

施設で暮らす子どもたちや、預けている保護者の話に耳を傾けていると、制度や意識の高まりがある一方で、彼らには届いていないことがわかります。地域社会からかなりの孤立感を抱いて生活しているのが実態です

 

 ある事例
20歳のシングルマザーです。18歳で妊娠出産し、2歳の子どもを一人で育てています。子育てや生活費を稼ぐために、夜は子どもを寝かせてから働きに出ます。本当は昼間に子どもを預けて働いたほうが良いとわかっていますが、それでは生活できません。

 

夜通し働き、朝疲れて帰宅しても、休む暇はありません。子どもの世話をし、少し仮眠をとると、また夜働きに出かける生活です。子育てのストレスを発散する場所も、話を聞いてくれる人もいません。たまには自分を解放したくなり、時々友達と飲みに出かけたり、遊んだりしています。

 

そんなある日、児童相談所の職員がやってきます。夜間子どもを一人にして働きに出ていることや、遊びに出かけていることを指摘し、「改善されなければ子どもを保護する」と言われました。

 

子どもが嫌いなわけではない、今精一杯していることをしているのにどうしたらいいのだろうと母親は途方にくれます。そして、違う地域へと転居することにしました。

 

こうした家庭は非常に多いのが現実です。地域とつながることや、「近くに相談できる人がいてほしい」と願っていても、生活に追われているうちに孤立してしまいます。

 

年齢の若い母親や、ドメスティックバイオレンスの被害を受けて心に傷を負っている母親たちが苦しんでいるのは、「地域ぐるみで子育てしましょう」、「○○サロンがあるから一度来てみてくださいね」と言われても、そこに行けない事情があることです。足が向かない気持ちを理解してくれる人がいないことです。

 

「この状況を脱したい」と願っていても、今日一日の生活費すら困窮している人もいます。彼らは、私たちが思うよりもはるかに孤独を感じ、地域からの距離を感じています。

 

情報を得て積極的に行動できる人と、そうでない人がいます。家族と「ともに」子どもを育てる視点が必要です。そして地域社会から孤立する手前の、「こころの孤立」にどのように介入し、支援していくかを考えていかなくてはいけません。

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