小学生の子どもが不登校になる原因と、そのとき親ができること

文部科学省では、不登校について「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」と定義しています。

 

不登校の児童は、調査を始めた平成3年当時は全国で12,000人でしたが、平成10年ごろから平成25年は20,000人から25,000人を推移しています。276人に一人の割合で不登校の子どもがいる計算になります。

 

文部科学省は不登校だけでなく、いじめや暴力行為などの問題の解決に当たるため、平成7年から、全国の小中学校にスクールカウンセラーを配置して、学校内に相談できる場所を作るために莫大な予算を投資しました。

 

また各市町村で不登校の子どもたちが通う適応指導教室が設置されているほか、フリースクールや不登校専門の相談機関も多くあります。

 

学校や地域に、不登校の子どもや家庭の相談に乗ったり、支援する存在は充実しています。しかし、子どもが不登校になったとき、一番初めに身近で対応するのは家族であり、どんなに相談に乗っても最終的に受け止め、子どもとともに悩み考えていくのは家族です。

 

今回は、小学生の子どもが不登校になったとき、家族はどのように関わったらよいのかについて考えていきます。

 

 「うちの子に限って」ではない不登校の要因
私は10年ほどスクールカウンセラーをしていました。その経験から、不登校になる子や、性格的になりそうな傾向の子というのは存在しません。どの子にもなりうる可能性があるのが不登校です。

 

5年生の男の子です。とても活発で、友達が多く、勉強もそれなりにできるため、誰からも不登校と無縁のように見えました。その彼が、夏休み明けから学校に来なくなってしまいました。先生たちは何が起きたのか混乱します。

 

担任が母親に連絡を取り、学校に来て話をしてもらいました。すると、以前から話し合っていた離婚が夏休み中に成立し、父親と離れてくらすことになったことが判りました。

 

 

また、ある2年生の女の子は、母親が妹を出産したことがきっかけとなり、学校に行き渋りはじめ、冬ごろから完全に不登校になりました。

 

彼女にとっては、8年間一人っ子で大事に育てられてきたところに、突然ライバルが登場します。

 

自分よりもそちらに手がかかるようになり、自分だけの母親が取られてしまった感覚から、片時も母のもとを離れまいと家にいることを選択した結果、不登校に至ります。

 

このように、小学生の不登校にはいじめやクラスの友人関係トラブル以外にも、母子関係を主とした家族の動きや葛藤が影響しているものもたくさんあります。

 

また最近では、大人の目には留まりにくいSNSの世界や、放課後や休日に通う習い事や塾での人間関係も子どもの不登校の要因になっていることもあります。

 

 子どもが学校に行かなくなったとき、親なら誰でも混乱する
不登校の要因がわかっていても、いざ自分の子どもが不登校になれば、子どもに関心のある親なら誰もが混乱し、パニックになります。それは、当然の反応です。

 

混乱すると、たいてい「自分の育て方が間違っていたのだ」、「親として失格」と落ち込みます。また「長く休んでしまったら学校に行きにくくなったり、勉強が遅れてしまう」という焦りが湧きます。

 

そのため、何とか子どもを学校に行かせようと、小さな身体を抱えて無理やり行かせたり、毎日のように先生に家に来てもらい、学校に行けるように声をかけてもらおうとしたりします。

 

それも当然のことでしょう。しかし、子どもにとっては逆効果の対応です。子どもが不登校になったのは、親の育て方が悪かったのでも、親の責任でもありません。

 

その償いとして、親としての役割を果たそうと、躍起になることは不登校を長期化させてしまいます。

 

 理由は必ず子どもの中にある
不登校になるべき理由が、子どもの中に必ずあります。小学生の場合、親に聞いてほしいなにか、見ていてほしい自分がいることが往々にしてあります。まだまだ甘えたい気持ちを強く持っています。

 

最初の混乱と落ち込みは誰にでもあります。それを受け止めたうえで、子どもを学校に行かせることではない行動に変えてみましょう。

 

それは、子どもの心に目を向けることです心の中で何が起きているのか、学校を休んでいる子どもと過ごしながら話をしたり、そばにいて感じることが必要です。

 

子どもに学校を休まれると、仕事に影響があって困るという親もいると思います。子どものサインに目を向け、不登校を長期化させないためには、仕事よりも優先しなくてはいけないときがあるかもしれません。

 

仕事やプライベートの都合をつけて子どもと向き合う、そのような必死な親の姿から、子どもは「親は自分のことをしっかりと見てくれている」という安心を抱き、しばらく充電すれば再び学校に戻ることができます。

 

あなたなら、学校にいけない子どもにどのようなまなざしを送りますか。自分が逆の立場なら、どうしてほしいですか。

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