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子ども虐待とはなにか〜ネグレクト〜

十数年前までは、虐待と言えば身体的虐待が多かったのですが、ここ最近、最も割合が大きいのがネグレクトです。重篤な被害や虐待死に至る事例のほとんどが、ネグレクトによるものとされています。

 

児童虐待防止法では、ネグレクトは以下のように定義づけられています。

 

●子どもの健康・安全への配慮を怠っているなど。例えば、@家に閉じ込める(子どもの
意思に反して学校等に登校させない)、A重大な病気になっても病院に連れて行かない、B乳幼児を家に残したまま度々外出する、C乳幼児を車の中に放置するなど。
●子どもにとって必要な情緒的欲求に応えていない(愛情遮断など)。
●食事、衣服、住居などが極端に不適切で、健康状態を損なうほどの無関心・怠慢など。
例えば、@適切な食事を与えない、A下着など長期間ひどく不潔なままにする、B極端に
不潔な環境の中で生活をさせるなど。
●親がパチンコに熱中している間、乳幼児を自動車の中に放置し、熱中症で子どもが死亡
したり、誘拐されたり、乳幼児だけを家に残して火災で子どもが焼死したりする事件も、
ネグレクトという虐待の結果であることに留意すべきである。
●子どもを遺棄する。

 

かなり具体的に明記されています。ネグレクトは放置放任とも言い換えられることがあ
りますが、それが命を落とすことに繋がるという重篤さ持っています。

 

ここからは、ネグレクトの事例を通して実態を詳しく見ていくとともに、子どもへの影響
について考えていきます。

 

 ケース〜小3C男〜
C男は両親の顔を覚えていません。今どこで、何をしているのかもわかりません。1歳3
か月のときに乳児院という施設に入りました。理由は両親がネグレクトをしていたからで
す。

 

C男の母親は、実家の親と折り合いが悪く、15歳で家を出て、17歳のとき友人の紹介
で1歳年上の父親と出会いました。出会ってすぐにC男を妊娠し、気づいたときには7か
月でした。若い二人は子どもが産まれることにそれほど関心はなく、これまで通り友達と
遊んで過ごしていました。

 

C男が誕生すると、はじめは二人とも面倒を見たり、おむつやミルク代を稼ぐためにアル
バイトをしましたが長続きしません。まだ1か月のC男を寝かせたまま遊びに出掛け、夜
帰らないことも増えました。「昼夜問わず赤ちゃんの泣き声がする」と心配した近所の人
が児童相談所に連絡をしてネグレクトが発覚しました。

 

児童相談所の職員が家庭訪問すると、両親とも「C男を育てる気持ちはない」と意思表示
し、C男は乳児院に預けられることになります。

 

生後1か月から約1年間、両親が面倒を見たことは最低限のおむつの交換とミルクでし
た。それも両親の都合によるもので、C男がどんなに泣いてもその要求が満たされること
はありませんでした。

 

乳児院に預けられてからは、担当職員が頻繁に声をかけたり、抱っこをしたり、C男がし
てほしいと思っていることを察して接してきました。預けられたころは表情も全くなかっ
たC男が笑ったり、要求を言葉で伝えるようにまで回復しました。

 

しかし、児童養護施設で3年生になった今も、身体はとても小さく、食も細いです。そし
て、表情は乏しく人と関わることは少なく、たいていは一人で遊んでいます。言葉の発達
もとても遅れています。「お父さん」「お母さん」ということも全くありません。

 

 乳幼児期に世話してもらえなかったことの代償
乳幼児は、泣くことで自分の状態を訴えます。そのサインを「おなかが空いているのか」、「おむつを替えてほしいのか」、「眠いのか」を親に察して応えてもらうことで満たされ、情緒や身体が成長します。

 

生まれて間もない時期からネグレクトの状態に置かれてた子どもたちは、自己表現や対人関係でさまざまな支障をきたします。

 

どんなに泣いても応えてもらうことがないということが、人間の発達にどれだけの障害を与えるか、一人ひとりがしっかりと理解する必要があります。そして近年増えている「愛着障害」というものが、私たち大人の責任にあることを認識するべきです。

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