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記憶している苦しみから解放しよう

高校時代、テスト前に寝ずに勉強したけれど肝心のテストのときに忘れてしまい、落ち込んだ経験は誰もが持っているでしょう。一方で、一度頭の中に残ると、そのあと時間が経っても忘れない記憶もあります。

 

 記憶とは
記憶は、覚えている時間によって3つの種類に分けられます。「感覚記憶」という通りすがりの人の顔や景色といったほんの一瞬の記憶、かける相手の電話番号や伝言といった10秒程度の「短期記憶」、自分の電話番号や住所など長い時間記憶している「長期記憶」です。

 

過去の経験が頭の中に残っていて、状況に応じて思い出したり、使ったりすることができるのが記憶の役割です。

 

 記憶は変わる?
歴史上の人物やできごとは変わりようがありません。しかし、過去の自分に起きたできごとは変えることができます。

 

高校生の時の大失恋は、その後しばらくは、そのときの言葉や雰囲気などを鮮明に記憶していて、苦しくてつらい経験です。しかし、20年も経つと細かいことは忘れて、若かりし日の淡い思い出となり、「あの失恋があったから成長できた」と良い体験として認識されている場合があります。

 

これは、記憶している「大失恋した」という事実は変わりませんが、その意味付けが変化した一例です。今回は、記憶の意味づけを変えることでその後の人生の過ごし方は変えられることについて考えていきます。

 

 ケース
母子家庭のAさんは、幼いころから高校を卒業するまでの経験を誰にも話すことができません。外面のいい母親は、仕事で疲れていたりお酒が入ったりすると、感情的に「お前なんかがいるから私がこんなにたいへんなんだ」、「金食い虫」と暴言を吐く人でした。

 

そのことは、20歳を超えた今でも、誰にも打ち明けたことはありません。また、母親から言われた言葉も鮮明に記憶しています。

 

その言葉によって、Aさんは「自分は邪魔者」であると認識し、自分に自信が持てません。さらに、「お金は使ってはいけないもの」と思い、お金を使うことに対していつも罪悪感を抱いてしまいます。そんなAさんは、友達と遊びんだり、一人でどこかに出かけることはほとんどなく、休日も一人で家にいるか、近所を散歩して過ごしています。

 

20歳を過ぎて、母親のもとを離れて暮らしているAさんは、楽しそうにしている同年代の友達を見て、次第に自分にきゅうくつな感じを抱きます。「自分はなにものだろうか」、「もっと自分らしく生きたい」と強く思い始めます。しかし、ここまで育ててくれた母親を否定したくはありません。

 

あるとき、仲の良い友達に思い切って打ち明けてみました。友達は、Aさんの話をじっくりと聞いて理解してくれました。そして彼女は、「お母さんも余裕がなかったんだね、一人でAちゃんを立派に育てなきゃって必死だったのかな」、「私も金食い虫って親に言われたことがある」と言います。

 

Aさんは「そうか、お母さんは私のために頑張ってくれていたんだ」、「邪魔者なんて思う必要はなかった」、「私だけじゃないんだ」とハッとします。そして、今まで自分に自信を持てなかったり、お金に対してマイナスなイメージを持っていたのは、自分の強い思い込みによるものだと気づきます。

 

 感謝の意味付けに変える
社会人になり、働くたいへんさも理解できるようになったAさんは、ある日、実家に帰って母親に思いを打ち明けます。昔、母親に言われた言葉に苦しんでいたこと、自分に自信がなかったこと、この先も言葉は覚えているだろうけれど母親も大変だったこと、自分の人格には関係ないと思っていることを伝えます。

 

すると、母親も泣きながら当時の苦しみを話し、感情をぶつけるのは唯一の家族である小さなAさんしかいなかったこと、傷つけたことを謝罪しました。

 

Aさんは、母親に対して大きな感謝の気持ちを抱きます。時間はかかりましたが、過去の体験の意味付けが変わったことで母親と向き合い、感謝に変えることができました。

 

つらく苦しい体験があると、私たちは「傷つけられた」、「私だって〜しているのに」と被害的になります。しかし、被害的になればなるほど苦しみは続きます。

 

相手の立場に立って考えたり、人に打ち明けて体験を客観的に見ることによって、体験の意味づけに変化が起きます。あなたの中にある傷つき体験の意味づけを変えてみましょう。意味づけが変わったとき、そこに感謝が生まれていることに気づきます。

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