人間関係を良好に保つために〜共感の落とし穴〜

 

あなたが人とコミュニケーションを取るとき、相手のどのような側面をとらえ、どのように相手を理解しようとしていますか。相手を理解するためには、知的な理解と内面的(体験的)な理解の二つがあります。

 

知的な理解とは、年齢や職業(所属)、家族構成、住まい、ライフスタイルといった事実をもとにしたものを通して行われます。

 

知的な理解は自己紹介や名刺交換などの場でも行われますし、初めて出会った人とのコミュニケーションも、まずはこれが入り口となります。

 

もう一つの内面的(体験的)理解とは、相手が感じていることや考えていることを、自分の体験(感情)を通して理解することです。

 

感情や思考は、それぞれの過去や体験に基づいて備わっているものであるため、内面的に理解をすることは、知的理解よりもはるかに高度な作業です。

 

内面的(体験的)な理解のひとつに共感があります。共感力が高い人は誰とでもコミュニケーションがうまくいきます。

 

今回は、良好なコミュニケーションを育むスキルとしての共感ではなく、真の意味での共感とはなにか、そして共感という言葉に隠された落とし穴について見ていきます。

 

 共感とは
共感は、感情移入という言葉に置き換えることができます。自分自身の内面的な体験(感情など)を通して、他者の内面的体験を理解しようとすることです。

 

例えば、海外旅行から戻った友人が、旅先での美しい景色や出会った人々、美味しい食べ物など、情景豊かに、あたかも旅をしているかのように思い出話をします。

 

そのときあなたは、なにを、どのように聞きますか。訪れた場所、見たもの、食べ物といった事実を聞いているのは共感とは言えません。

 

あなたが過去に抱いた、似たような感動体験を重ね合わせながら、相手の話の中に入っていくことが共感と言います。

 

そして共感にはレベルがあります。相手の話を聞きながら、あなたの過去の体験やそこに伴った感情もよみがえるような深いレベルから、相手の話を聞いて「相手はこういう状態だったのだ」、「こんな体験をして楽しかったのだ」という把握する浅いレベルまであります。

 

深いレベルでの共感を示した場合、あなた自身も忘れていた記憶を思い出し、当時の体験に戻ったりすることがあります。すると、相手とのコミュニケーションは非常に濃く、深い感情交流が起こります。

 

 共感と同情の違い
共感と同情の違いは、相手と自分の体験に対する尊重がなされているかどうかで見極めることができます。お互いが体験している(した)ことに対する独自性が保たれているかということです。

 

共感は、相手の内的体験と自分のそれを重ね合わせて感情移入しながら、それぞれが独立したものとして、他者が感じているものを特別なものとして捉えることです。

 

一方、相手の体験が独立的で特別なものとみることができず、相手の話によって自分自身が揺さぶられ、あふれるままに自分の感情が湧き、自分の体験と同じものとみなしてしまうことを同情と言います。

 

共感によって相手は「わかってもらえた」、「深い体験共有ができた」、「お互いが分かり合えた」と感じます。一方、同情は「話したけどなにか違った」、「結局、相手の話になってしまった」という結果になりがちです。

 

 共感するとき
一般的に言われている共感力というと、相手の目を見て話を聞く、あいづちを打つ、相手の言葉を繰り返す、といったものが挙げられます。

 

このような技術を使えば、一時的に良好なコミュニケーションを取ることは可能です。しかしながら、技術的に共感という作業をしてしまうと、継続した真の人間関係を得ることは困難です。

 

共感とは、自分も相手も尊重し、相手を自分の体験と重ね合わせながら理解を示すことです。カウンセラーとして人の話を聞くことを生業としている人達は、かなりのトレーニングを積んでいます。

 

話を聞くというと、とても簡単なことに聞こえますが、共感を伴いながら話を聞くことは、専門家でもかなりレベルの高い課題です。

 

では、共感を持って人の話を聞くことが専門家にしかできないかというと違います。むしろ、私たちが日々暮らしている中で共感を持って人と接することができれば、心の病にかかって病院に行く前に救われる人はたくさんいます。

 

まずは、人と接するとき、スキルにとらわれることから解放してみましょう。そして、あなた自身が内面で感じていることに目を向け、それが相手の話によってどのように変化しているのかを感じ取ってみましょう。

 

自分の内面で起きている体験とともに、相手の話を聞くことによって、相手との深い感情交流が生まれることに気づくはずです。

 

それが、共感の初めての一歩です。そして、その継続による共感によって、長期的に深い人間関係が構築されます。 

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