サイト名 | キーワードを3、4つ書く

親子関係をみつめる〜母子カプセル〜

ひとことで親子関係といっても、ひとつひとつ違いがあります。数の分だけ形があります。雑誌やメディアでは「理想の家族」といったテーマで、特集が組まれることがあります。そこには、互いに自立している仲の良い夫婦で、素敵なファッションに身を包み、子どももすくすくと育っているような家族が登場しています。

 

そのような家族や親子を見ると「うちはあんなにオシャレじゃない」、「夫婦げんかばかりしている」、「子どもは勉強もできないし反抗的」と、自分の家族の嫌な面ばかりが目につきます。

 

家族や親子を構成しているひとりひとりが違っているのですから、正解の形などありません。他の家族や親子と比べる必要もありません。

 

「あんな親子になりたい」と理想の形を求めることはたいせつですがが、今ある実態を捉えずにそれをすれば、上辺だけで中身のない関係ができあがり、理想と現実のギャップからストレスが溜まるでしょう。

 

家族という狭い人間関係は、外の目が行き届きにくく、自分自身も客観的な視点を失ってしまいがちです。だからこそ陥りやすい溝のようなものが存在します。今回はその一つ「母子カプセル」について見ていくことにします。

 

 母子カプセルとはなにか
母と子が非常に密着している親子関係のことを言います。子どもが、お母さんのおなかの中で温かく守られている状態を例えて表現しています。

 

赤ちゃんは、産まれてから2−3歳まではお母さんにぴったりとくっついて守られ、世話をされます。この時期は、母子カプセル状態でいることが必要です。

 

3−4歳くらいになると外の世界に興味を示し、お母さん以外の社会とのかかわりを求めるようになります。父親や社会を通して、自分と母親とのカプセルから抜け出し、さらに広い社会へと飛び出し自立していきます。

 

この3−4歳のカプセルから抜け出す時期に、母親が子どもと離れられなかったり、子どもが生きがいとなったりして、子どもを自分のそばに引き留めてしまうと、母子カプセルはその後も延長して展開されてしまいます

 

 なぜ母子カプセルの延長が起こるのか
少子化に伴い、親(やその親世代)が子どもにエネルギーをかけすぎる傾向があります。誕生日のお祝いや七五三を、レストランやホテルで開く家族もあるほどです。

 

最近では、イクメンという言葉も聞かれるようになっています。子育てに積極的参加する父親を表現したものですが、一方で父親の母親化も疑問視されています。本来父親は、子どもにとって初めての社会的な存在であり、子どもは父親を通して社会を体験していきます。

 

しかし、父親も母親のように優しく、温かく包み込むことで、子どもが社会を体験する機会が与えられないまま成長していきます。子育ての過熱化や役割の統一化は、子どもが独り立ちする機会を失ってしまいます。

 

母子カプセルでよく言われる要因は、母親が子離れできない、子どもに依存していることです。子育てをしているとき、母親たちは社会から断絶された思いを抱きます。

 

自信がなかったり、周囲との関係がうまく持てなかったりすると、社会の一人としての人間ではなく、母親という役割を果たすことに生きがいを見出していきます。

 

 母子カプセルの延長はなにをもたらすか
このように、子どもが自立する機会を失い、母子カプセルが延長したまま育っていくと子どもはどうなっていくでしょうか。

 

子どもは母親の気分を害したり、意に沿わないことは決してしません。その結果、自分の人生ではなく母親の人生を歩むようになります。
 
しかし、子どもも年齢は重ねていきます。思春期に入り自分と向き合うようになると、母子カプセルに対する違和感を抱き、反発する子もいます。それは、これまで自分の思い通りにしてきた母親への怒りとして表れます。

 

また、母子カプセルに対する違和感を抱いても、そこから抜け出せない子もいます。そのような子どもは、まだ社会に出ることを怖がり、母親のそばで守られたい気持ちが強いため、不登校や引きこもりを引き起こす可能性もあります

 

このように、母子カプセルが延長されると、子どもへの育ちに大きく影響します。母親という役割を果たすことと、それを生きがいとして生きることを区別する必要があります。

 

母親とはいえ、一人の人間です。母親自身が、一人の人間としての生き方に生きがいを見つけていくことが求められます。

スポンサードリンク



TOP 代表あいさつ お問い合わせ